2010年 04月 16日
谷あり山あり。 |
来週、21日より「東日本伝統工芸展」が始まります。
私が所属する日本工芸会の東日本支部の展覧会です。
(私たちの間では、以前は新作展、最近では支部展と呼んでいます)
今年も、一閑育ちで、今は、講師をしてくれている
有光志津枝さんが入選しました!
しかし、どういう作品か、残念ながら私は知りません・・・
という事で、
皆様、ぜひ楽しみに会場でご覧下さいませ!!
・・・で、私はというと、
今年の作品は選外となってしまいました。
残念な報告ですみません。
いろいろな試みが・・・その想いが思いっきり空回りで
どうも「魅力」の逆になってしまったようでした。
・・・その作品。
形は、扁壺。
テーマは「蓮池」ながらその表現には
今までの赤絵の赤と長石釉の白に
鉄の黒を意識的に蓮葉のシルエットで使ってみました。
空気を動かしてみたいと
トンボを図柄に取り入れて。
(伊豆の蓮池では蓮の花咲く頃、
トンボが飛び交いとても良い感じで印象的なのです)
形の事。
図案化の事。
トンボの事。
色合い、発色の事などなど・・・。
・・・それぞれの審査員に否定的に感じられたそうです。
要は、魅力がなかったと。
今更ながらとても勉強になりました。
自分の熱い思い込みと審査する先生方の冷静な眼と。
一歩引いて冷静になる時間ができました。
少し落胆しましたが、
この出来事は、この間の個展の追い込みの最中の事。
それ以上気にしているゆとりもなかったのが幸いしたか
脳裏からすぐに離れてくれていたので、
気分的には助かったのかもしれません。
そうですね・・・こういう事は起こってほしくありませんが、
こういう事があるから、公募展に出品するのかもしれません。
今日は少し長くなります・・・。
できれば、もう少しお付き合い下さいませ。
そんな個展の追い込みの最中、
もう一つの展覧会の搬入がありました。
これも毎年出品している
「伝統工芸陶芸部会展」です。
(2年前までは新作陶芸展という名の展覧会でした。
私たちは、正会員展とか部会展とか呼びます)
日本工芸会関係の展覧会、
似たような名前の展覧会が多いので
何が何だか分かりにくいですよね。
この展覧会は、いわゆる公募展ではなく
「日本伝統工芸展」という秋に行なわれている
全国区の公募展(これを私たちは本展と呼びます)に
4回入選し正会員に認定された陶芸家が出品資格を持つ展覧会です。
素晴らしいことに、落選はありません(^^)。
陶芸の分野は、
正会員の数だけでも入選数よりも多くなり
なかなか本展に正会員でも入選できなくなってきてしまって
その正会員になるメリットがあまりない・・・と言う事から、
陶芸部会だけ全国の正会員だけを対象とした
展覧会をするようになったと聞きます。
ですから、
もちろん落選はないのです。
そして、
金工や漆、染織などなどの他の分野に比べ
はるかに作家の人数が多いのに
本展での賞の数は
それぞれの分野にほぼ同じ数に配分されていて
陶芸で受賞する作家が
他の分野に比べ比率的にはるかに少ない事から、
数年前からは、
この正会員展でも賞を出すことになったと聞きました。
・・・長い説明でスミマセン(笑)。
さて、この展覧会、
実はここ2年間ほど、私の作品も
賞候補にまで挙げて頂いていたのですが・・・そこまで。
受賞はしませんでした。
「よし、今年こそ!」と意気込みたいところでしたが、
個展の忙しさと支部展に落選した直後の思いで、
「今年は、いいや・・・。」となってしまっていたのでした。
それに、その直前ダメだった評価されても
器用にすぐに路線変更できないのが私です。
「とりあえず、今回はこの一連の表現の作品を出す・・・
落選がないから、とりあえず人に見てもらえるぞ・・・。」
形は長角皿で、トンボはいない図案でしたが、
ここ数年のシンプルな作品に対し
思いっきり暑苦しいくらいの図案で・・・。
作品の写真がないので、その作品の図案です。
速報が入ったのは、個展の会場にいた時でした。
突然、携帯電話が鳴って・・・
「ごちそうさま!」
「は?・・・」
「だから、ごちそうさま。 受賞が決まったぞ!」
声の主は、いつもお世話になっている先輩・・・幹事の先生です。
突然の全く想像もしていなかった事で、言葉が出ません。
「・・・え、あ、ありがとうございます!」
「俺が審査したわけじゃないけどな(笑)。」
ごちそうさま・・・って、僕も例年言っていた言葉でした。
受賞作家と「賞金で一杯やろう」というジョークです。
その後、審査や図録撮影など係の仕事を終えた方たちが
続々個展会場に来て下さって・・・その夜は、皆さんと一杯。
モチロン、しっかり皆さんにご馳走になりました(笑)。ありがとうございました。
嬉しいです。素直に。
私は、賞なるモノと無縁だと思っていたので
不思議な感じも伴って・・・。
そして何はともあれ、
これまで応援して下さった皆様に感謝です。
山あり谷あり・・・谷あり山あり?
陶芸家人生、平坦ではありませんが
時にこういうご褒美もあるのだということ励みに
また、ボロボロに批評される作品を必死に創っていきます。
・・・長い作文にお付き合い有難うございました。
尚、展覧会は来月、26日から31日まで。会場は、日本橋三越です。
お近くの方、ぜひご高覧下さいませ。
私が所属する日本工芸会の東日本支部の展覧会です。
(私たちの間では、以前は新作展、最近では支部展と呼んでいます)
今年も、一閑育ちで、今は、講師をしてくれている
有光志津枝さんが入選しました!
しかし、どういう作品か、残念ながら私は知りません・・・
という事で、
皆様、ぜひ楽しみに会場でご覧下さいませ!!
・・・で、私はというと、
今年の作品は選外となってしまいました。
残念な報告ですみません。
いろいろな試みが・・・その想いが思いっきり空回りで
どうも「魅力」の逆になってしまったようでした。
・・・その作品。
形は、扁壺。
テーマは「蓮池」ながらその表現には
今までの赤絵の赤と長石釉の白に
鉄の黒を意識的に蓮葉のシルエットで使ってみました。
空気を動かしてみたいと
トンボを図柄に取り入れて。
(伊豆の蓮池では蓮の花咲く頃、
トンボが飛び交いとても良い感じで印象的なのです)
形の事。
図案化の事。
トンボの事。
色合い、発色の事などなど・・・。
・・・それぞれの審査員に否定的に感じられたそうです。
要は、魅力がなかったと。
今更ながらとても勉強になりました。
自分の熱い思い込みと審査する先生方の冷静な眼と。
一歩引いて冷静になる時間ができました。
少し落胆しましたが、
この出来事は、この間の個展の追い込みの最中の事。
それ以上気にしているゆとりもなかったのが幸いしたか
脳裏からすぐに離れてくれていたので、
気分的には助かったのかもしれません。
そうですね・・・こういう事は起こってほしくありませんが、
こういう事があるから、公募展に出品するのかもしれません。
今日は少し長くなります・・・。
できれば、もう少しお付き合い下さいませ。
そんな個展の追い込みの最中、
もう一つの展覧会の搬入がありました。
これも毎年出品している
「伝統工芸陶芸部会展」です。
(2年前までは新作陶芸展という名の展覧会でした。
私たちは、正会員展とか部会展とか呼びます)
日本工芸会関係の展覧会、
似たような名前の展覧会が多いので
何が何だか分かりにくいですよね。
この展覧会は、いわゆる公募展ではなく
「日本伝統工芸展」という秋に行なわれている
全国区の公募展(これを私たちは本展と呼びます)に
4回入選し正会員に認定された陶芸家が出品資格を持つ展覧会です。
素晴らしいことに、落選はありません(^^)。
陶芸の分野は、
正会員の数だけでも入選数よりも多くなり
なかなか本展に正会員でも入選できなくなってきてしまって
その正会員になるメリットがあまりない・・・と言う事から、
陶芸部会だけ全国の正会員だけを対象とした
展覧会をするようになったと聞きます。
ですから、
もちろん落選はないのです。
そして、
金工や漆、染織などなどの他の分野に比べ
はるかに作家の人数が多いのに
本展での賞の数は
それぞれの分野にほぼ同じ数に配分されていて
陶芸で受賞する作家が
他の分野に比べ比率的にはるかに少ない事から、
数年前からは、
この正会員展でも賞を出すことになったと聞きました。
・・・長い説明でスミマセン(笑)。
さて、この展覧会、
実はここ2年間ほど、私の作品も
賞候補にまで挙げて頂いていたのですが・・・そこまで。
受賞はしませんでした。
「よし、今年こそ!」と意気込みたいところでしたが、
個展の忙しさと支部展に落選した直後の思いで、
「今年は、いいや・・・。」となってしまっていたのでした。
それに、その直前ダメだった評価されても
器用にすぐに路線変更できないのが私です。
「とりあえず、今回はこの一連の表現の作品を出す・・・
落選がないから、とりあえず人に見てもらえるぞ・・・。」
形は長角皿で、トンボはいない図案でしたが、
ここ数年のシンプルな作品に対し
思いっきり暑苦しいくらいの図案で・・・。
速報が入ったのは、個展の会場にいた時でした。
突然、携帯電話が鳴って・・・
「ごちそうさま!」
「は?・・・」
「だから、ごちそうさま。 受賞が決まったぞ!」
声の主は、いつもお世話になっている先輩・・・幹事の先生です。
突然の全く想像もしていなかった事で、言葉が出ません。
「・・・え、あ、ありがとうございます!」
「俺が審査したわけじゃないけどな(笑)。」
ごちそうさま・・・って、僕も例年言っていた言葉でした。
受賞作家と「賞金で一杯やろう」というジョークです。
その後、審査や図録撮影など係の仕事を終えた方たちが
続々個展会場に来て下さって・・・その夜は、皆さんと一杯。
モチロン、しっかり皆さんにご馳走になりました(笑)。ありがとうございました。
嬉しいです。素直に。
私は、賞なるモノと無縁だと思っていたので
不思議な感じも伴って・・・。
そして何はともあれ、
これまで応援して下さった皆様に感謝です。
山あり谷あり・・・谷あり山あり?
陶芸家人生、平坦ではありませんが
時にこういうご褒美もあるのだということ励みに
また、ボロボロに批評される作品を必死に創っていきます。
・・・長い作文にお付き合い有難うございました。
尚、展覧会は来月、26日から31日まで。会場は、日本橋三越です。
お近くの方、ぜひご高覧下さいませ。
by ikkannet
| 2010-04-16 01:46
| 私の仕事